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1/10 スクロールで次の写真へ 第1次世界大戦中に英国が開発した戦車は、1916年9月に初めて実戦に投入された。第1次大戦は14年8月、ドイツ軍がフランスに侵攻したことで戦闘が始まったが、同年9月以降は戦線がこう着し、ベルギー北部の海岸線からスイス国境に至る南北のラインに幾重にも塹壕(ざんごう)が築かれ、英仏連合軍とドイツ軍がにらみ合う状態が続いていた。 無限軌道を装備する戦車は不整地走行能力が高く、歩兵や騎兵の進撃を妨げていた塹壕や鉄条網を踏みつぶして敵陣を突破することを期待されていた。初期の戦車は機械的な故障が多発し、思うような働きができなかったが、17年以降に改良型の量産体制が整うと、前線に大量投入することができるようになり、次第に戦果を上げ始めた。 写真は、英軍の「菱形戦車」で、17年から前線に配備されたMark.IVと呼ばれるタイプ。車体は全面が装甲板に覆われ、小銃弾程度は跳ね返すことができた。車体側面のスポンソン(張り出し)には機関銃や砲を装備し(写真の車体は未装備)、移動しながら敵陣を攻撃した。全長8.1メートル、全幅4.1メートル、重量29トンで、乗員は8人だった。最大速力は時速6キロ程度と、人間が歩くスピードと大差はなかったが、塹壕を乗り越えて向かってくる戦車は、歩兵にとって大きな脅威となった 【AFP=時事】
戦車 第一次世界大戦でイギリス軍が最初に使用した新兵器。以後、陸上戦闘での主要兵器として各地の戦争で使用されるようになった。 第一次世界大戦での戦車 第一次世界大戦 に際し、イギリスで考案され、「陸上軍艦」と云われた。初期の戦車は故障も多かったが、1916年の ソンムの戦い で最初に使われ、次第に大量に使用されるようになって恐るべき威力を発揮するようになった。ドイツではA7V、フランスでは小型のルノーFTなどが作られた。 → 古代の 戦車 Episode チャーチルが発明した戦車 「戦車」を考案したのはイギリスで、時の海軍大臣だった チャーチル だという。チャーチルの伝記の一節から引用しよう。 (引用)チャーチルは海相として本土の防空に責任を負わされており、そのためダンケルクに飛行基地を設けてツェッペリン飛行船を迎撃しようとした。飛行場を陸で守るためには、ロールス・ロイスに装甲板をかぶせた装甲自動車を発明した。ドイツ軍が道路に壕を掘ってこの新兵器の運動を妨害しようとすると、その壕を乗り越えられるような無限軌道車-海軍の工廠で研究されたから、「水槽(タンク)」という暗号名で呼ばれた-の開発に着手した。こうして海相が空の戦いのために発明した陸の戦車は、やがて陸上の停滞を破るための決定的な兵器となるであろう。 <河合秀和『チャーチル』中公新書 1979>